今大会、私の中での優勝候補No.1は高梨四段でした。
昨年もこの高梨四段を優勝候補に挙げる人がいましたが、私の見方と
しては、もちろん彼の実力は認めてはいるものの、メジャーを獲るには
まだ足りないものがある、と見ていました。実際何人かに「ジャンプ君の
優勝はない」と言ったと思います。
で、今年に入って受験休み(?)を終えオセロ界に復帰。すると受験勉強による
ブランクを感じさせるどころか、むしろパワーアップしてます。
実際自分自身も彼にさっぱり勝てず。2石とか4石とか細かくリードした局面
から、完璧に勝ち切るんですよね。
なぜかこの受験期間に、昨年までは足りてなかったものを全て埋めた感じ。
ほとんど隙が見当たりません。
そんな彼の強さを見て、「メジャーを獲る準備ができた」と感じました。
そして実際決勝まで進んだわけですが・・・
やはり大舞台で勝つってのは、棋力だけじゃないんですよね。
互いにある程度(ある程度とは言ってもそれなりに高いレベルのものですが)の
実力を持っていれば、大舞台で利いてくるのはやっぱり気力。
「勝ちたい」と思う気持ち、「絶対勝つ」という強い気持ち。そしてそれを
実現するための「集中力」。それまでに5試合を真剣に戦ってへとへとになった
状態で、更に40分、いかに集中力を持続できるか。
決勝で負けてしまったのは残念でしたが、(自分がそういうタイプの人間だから
言うわけじゃぁないのですが) あっさり優勝できなかったのは逆に良かったかも
しれません。今まで以上に、オセロを「楽しい」と思えるはず。
これで六段に昇段したわけですが、ジャンプ君にとって六段はたまたま手が届い
ちゃったというものではなく、明らかに通過点。
早ければ今年の王座戦で、遅くても再来年くらいまでには、「高梨七段」が
誕生するでしょう。
私としては、その時期がちょっとでも先になるべく、それを邪魔できるプレイヤで
いられるよう精進します。
高梨新六段、準優勝おめでとう!