今年の世界戦は11月20日(木)~22日(土)の3日間。ノルウェイのオスロで開催されます。
日本代表は宮岡七段、飯島七段、そして滝沢八段。
この中に自分が入ってないのはちょっぴりさみしい気もしますが、彼らがどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみです。
まず、大ベテランの滝沢八段。
私がオセロを始めたころには既に日本を代表するトッププレイヤとして大活躍されていた方で、ほんと、雲の上の存在でした。滝沢さんはプレイヤとしてだけでなく、「ロイヤルロード」という雑誌を不定期で発行、今より全然オセロ人口が少なかったあの時代で、100人以上の読者がいたと聞いています。このロイヤルロード、自分のことがちょろっとでも書かれたりすると、とってもうれしかったのを覚えてます。
滝沢八段の安定した力は誰もが認めるところで、我々東京のプレイヤと違って毎週毎週大会に出られるような環境じゃないにもかかわらず、その実力を維持してるところがほんとすごいと思ってます。
滝沢八段は1985年と1994年の2回に渡り、全日本選手権を制してさらに世界選手権を制しています。今年世界戦で優勝すると、1980年代、1990年代、2000年代でそれぞれ世界一になったことになります。想像に難くないと思いますが、これを達成してるのは現時点では為則九段のみ。
滝沢八段には是非、14年ぶりの世界一に返り咲いて頂いて、九段昇段を決めて欲しいと願ってます。
私個人の心情を含め、今年の世界戦で一番優勝して欲しいのは滝沢八段です。
次はベテランの宮岡七段。
自分より新しい選手なので、自分の中のくくりでは「若手」に感じてしまうのですが、オセロ界的には間違っても若手じゃなくベテランですよね。
体調によって大きく成績が左右する人ですが、11月のオスロは間違いなく暑くないはずなので、この点は問題なさそうです。
メジャー大会で常に上位に入るというわけでもないので評価がわかれるかもしれませんが、私は彼を非常に底力のある選手だと思ってます。初出場となる2005年の世界選手権ではしっかりと準決勝に進んでますしね。優勝候補の末国九段(シンガポール代表)と相性が悪くないので、ひょっとすると優勝しちゃうんじゃないかと思ってます。ただ私個人の心情的には、この宮岡七段に優勝されてしまうのが一番くやしいかもしれません。とは言っても、決して「負けろ」と思ってたりはしませんよ。優勝されたら悔しいけど、頑張ってきてね。
最後に謎の(?)飯島七段。
自身のブログに書いてますが、ここんところ特に結果が出てなく苦しんでる様子。まぁただこれは、世界戦へ向け今までにやってないことをいろいろやってるためだと思ってます。ゴルファーが更に上を目指すためにフォーム改造に取り組んで、一時期さっぱり結果が出なくなるやつと似てるかな。ただここで我慢することが必要で、それを乗り越えた時に一段階パワーアップした自分に出会えるはず。
正直飯島七段が優勝するとは思っていませんが、優勝したらしたで彼の場合は素直に喜べます。「うぅ、先を越されてしまった・・・」という気持ちよりも、「すげぇ、さすが飯島、ほんとにやっちまったよ!」という興奮が明らかに上回ると思います。そんな不思議な魅力を持つ男・飯島七段、最大の武器は集中力なんだからさ、大会前に無理しすぎて体壊したりしないようにね。
* * *
私ね、一昨年・昨年と幸運にも世界戦に出る機会を与えられて、世界戦の楽しさが体に染み付いてしまってます。金と時間に余裕があれば、ほんと、観戦しに行きたいくらいです。世界戦の開催される3日間は、毎晩深夜までネットで観戦することになりそうです。
昇段
世界大会って、昇段対象から外れたのではなかったでしたっけ?
いずれにしても、出場者のみなさん頑張って下さい。
昇段規定
いえ、また微妙に戻ったのですよ。
七段になってから、名人戦、全日本、王座、世界戦で2回優勝すると八段に昇段。
八段になってから、名人戦、全日本、王座、世界戦で2回優勝すると九段に昇段。
宮岡七段はあと1回の優勝で八段に昇段。
滝沢八段はあと1回の優勝で九段に昇段。
飯島七段は世界戦で優勝すると、八段にリーチのかかった七段。