敗着を打った局面

本日の品川シーサイドオープン、長崎四段に負けたゲームより。


白の私が○a8と左下の隅を取って、黒の長崎四段が●a1と来たところ。

次どこに打つか、じっくり考えてみて下さい。

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私はノータイムで○a2と打ちそうになったのですが、打つ直前にちょっと
まずいことに気がつきました。○a2に対して●c1とされると、b8-h2の
Cラインが通ってしまい、○b8が打てなくなってしまいます。打つために
○h3としても●g2と受けられ、やはりこのCラインは通ったまま。

これはヤバいかと思い、○b8の手を考えてみました。
これだと左辺、上辺、右辺を取られるので足りるかどうか心配。
必死で数えます。残り時間が2分程度だったこともあり、ここで数え間違いが
ありました。ぎりぎり引分勝ちと思って打ち進めると、5個空きの時点でどう
打っても4石負け。う~ん、まいった。

実はこの局面、○a2が正解でした。●c1でf4の白石を消されたら、次に打つのは
○h3ではなく○g2! たしかに、これならばb8の打てない1個空きが解決されます。

この○g2は、図の局面からは見えづらいですよねぇ。
というか、少なくとも私の実力では、図の局面からこの○g2は見えません。
こういう自分の弱さを見てしまうと、まだまだまだまだ精進が足りないなぁと
反省してます。

たぶん、九段の方々ならばこのくらいはすぐに見えるんだと思います。
村上さんをはじめとする九段の皆さん、「自分は簡単に見えたぞ!」の
書き込みを期待しています!

「敗着を打った局面」への4件のフィードバック

  1. Unknown
    僕もa2を却下しました。なかじさんと同じ理由で…。白番だし上辺の形からして、確かにg2は却下しないで考えれば打てるはず。a2→c1→却下…という思考は、いわゆる「抜けて」しまっている状態だと思います。強いからこそ自動却下してしまうわけで、この呪縛から逃れるのはなかなか大変そうですねぇ。

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  2. Unknown
    初めまして。
    関西在住の「三段ほど強くない三段」のばっし~と申します。
    私も白a2に対しては黒c1で白b7の手が消えると読んでました。
    対してb7に打てば、次黒は当然a2
    白g8で完全偶数理論で行ける!!
    と考えてました。
    このように石差がきわどいときに時間がないと言うのは難しいですね。

    返信
  3. Unknown
    呼ばれましたのでちょっと書き込みします。この局面を見たときの思考回路を記します。

    ①とりあえずa2に打つか。でもc1に打たれるとCラインがイヤらしい。取り敢えずa2案は保留。

    ②仕方ないb8に打つか、と考え白b8-黒a2の局面を頭の中で描写。しかし左辺を捨てるとどうしても足りない感じに見える。

    ③b8を却下したのでa2を考え直す。思考中にg2が見え、まぁこれで良いだろうと判断。

    いつもこんな感じです。複数案が考えられる際には、第一案を検討し、良かったとしてもあるいは冴えなかったとしても一旦保留して第二案の検討に入ります。

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  4. さんくす!
    zard2001九段様、ありがとうございます。

    この対局中の私の場合、①, ②を経て③のa2を考え直す、というところまでは同じと言えば同じでした。
    ただg2が見えないのが大きな差ね。
    更にb8からのカウンティングに4石の誤差が含まれてしまった。
    足りない部分がいくつか重なっての敗着、ってやつ。

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